コンサートン(利根無線)DS−5の修理

オリジナルの真空管は6A7 6D6 6ZDH3 6ZP1 12Fです。
この真空管構成のラジオは昭和23年ころ一時的作られただけで、
翌年から 6WC5 6D6 6ZDH3A 6ZP1 12Fの構成が主流になりました。
このラジオも真空管お入手難から 上記に変更されています。
改造はまじめにやられていますが 惜しむらくは当時の規格のバリコン とアンテナコイルが残り、OSCはスターの430PF用のものが使われています。
なお修復したとき ダイアル糸も交換したらしく 普通の糸が使われていました。
オリジナルの糸かけ方法は不明ですが、途中のプーリーに糸が1回巻きつけてあるなど不可思議な方法です。
たぶん間違えたのではと思いますが・・。



電気的には 間違いなく修理されています。
自分だったら このような修理はしないという部分もあることは有りますが 間違いではありません。






ツマミの軸は普通3回 途中のプーリーは巻きつけません。
この辺が間違いではと思われるところです。

ただしツマミの軸は太いので2回が正解かも知れません。

今回はダイアル糸がスリップするとのことで 修理依頼がありました。
悪いことに潤滑剤をバリコンにかけたそうなので 取り外して 洗剤で洗いました。
容量を測定してみると最大で 400PFと410PFで2連バリコンとしては誤差が大きいです。

実は洗う前に測定したら420PFあったので 洗った効果は多少有ったのかも。
バリコンの羽根に潤滑剤をかけると容量が増加します、絶対やってはいけません。

なおバリコンの最大容量が430PFに決まったのは昭和20年代中ころです。
この時代のバリコンは最大容量が微妙に違います。


バリコンをくみこんでみると 位置が少し低いのです。
低いと軸の大型プーリーがシャーシにさわり うまくダイアルが動きません。
ゴムブッシュを追加して5mmほどかさ上げしました。





ダイアルの糸掛けで ガラス保持の金具が付加されていて カバーを外さないと糸かけできない構造です。
こんな嫌らしい構造は初めてです。


カバーを外したところ。



カバーを組み込んだところ。



IFTを463KHzに調整して 目盛りあわせ トラッキング調整をして終了。
ただし 目盛りが途中で合わない部分があります、原因は不明です。





2016年12月3日




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