自作5球スーパーの修理

自作の5球スーパーを入手して 自分で修理をしたものが やってきました。

結論から言うと 初心者は手を出してはいけないものに挑戦した感じです。
自作品のラジオはそのまま修理しても動くとは限りません。
組み立てた時点ですら 正常に動いていないものが多いのです。

メーカー製と自作品の見分け方
メーカー製は電源トランス スピーカー IFTに製造メーカーの名前が有ります。
当然キャビネットも メーカーの名前があります。

自作品はバラバラで部品を購入するので 統一したメーカー名は有りません。
IFTはスター トリオ 全線 コスモス など部品メーカーの名前になっていることが多いです。
電源トランスも 部品メーカーの名前になっている。
なおキャビネットメーカーがシャーシキット付キャビネットを販売していた事があり、これも自作品です。
トーホー クライスラー ハーモニーなど。

どちらにしても自作品の修理は経験を積んでからの方が無難です。



背面の画像です。
この画像を見た時は驚きました、ヒューズが2本組み込まれているのです。
ラジオで2本ヒューズを使うものは戦時中に作られたトランスレスなどごく一部のラジオだけです。
スペースがあるからとこのようにしてはいけません。



まず間違いはスピーカーの配線が全く駄目なことです。
何かの資料で読んだのでしょうが ヒータートランスを出力トランスの代用にしているのです。
それはある程度良いとして 接続が違うのです。
ボイスコイルは100V端子へ 真空管のプレートとB電源には 12V端子から電線が伸びています。
これではトランスを入れた意味が全くありません。



シャーシ内部の拡大画像です。
上のトランスの画像と対比してください。

また 新しく組み込んだケミコンを外してみると リード型のケミコンが見えますが、
このタイプのケミコンで 再利用できたものは見たことが有りません。
使ってはいけないものなのです。



この修理で 気が付いたことは 古いコンデンサーを新品に交換すれば何とかなるという感じの修理でした。
メーカー製のラジオではある程度 当てはまりすが 自作品ではいけません。
さらにケミコンの故障は 「乾いて 容量が減少する」と「漏洩電流が増えて 抵抗に変化する」故障があることです。
特に後者の故障が多いので 新しいケミコンを追加して修理するのは駄目なのです。

原理的に 拙著 「真空管式スーパーラジオ徹底ガイド」をぜひご覧ください。

 

出力トランスは 100V側端子をプレートと12Fの4ピン(整流管の出口)に 10V と12V端子をボイスコイルに接続して利用しました。
平滑抵抗は3KΩを使いました。
整流直後で240V 平滑後で約180Vです。
8Vと12V間で使っても見ましたが 気のせいか前者の方が良さそうなので そちらに決めました。
コーン紙も破れて補修されているので あまり厳密なことは考えませんでした。

電源トランスでも 出力トランスの代用になるとはいっても ヒータートランスの100V巻線は巻き数も少ないので 
決して良質の出力トランスにはなりません。
中古品を利用するならともかく 新品を利用するのは避けた方が無難です。



真空管は6WC5 6D6 6ZDH3A 6ZP1 12Fの構成でしたが 出力管のカソード抵抗が実測500Ωで、
あるいはオリジナルは42が使われていた可能性があります。

電源トランスのB巻線も300V端子が使われていましたが これは260V端子に変更しておきました。
平滑抵抗も2KΩが2個並列に接続されていて 最初に組み立てた方の意図がよく解りません。
6ZP1を使う場合はG2電圧は180V以下にしておいた方が無難です。
6D6 G2と6WC5のG2 G4へは20KΩが使われていましたが、これも10KΩに変更しておきました。

なお調整は非常に苦労しました。
C同調のIFTなので 周波数がとんでもないところに同調していて 1個 1個丁寧に合わせるしかりませんでした。
IFに455の信号を入れても全く受信できないくらい狂っていました。
1個所などは600KHz位に同調している有様です。
C同調はアマチュア―が良く使うのですが 同調範囲が広いので 注意しないととんでもない受信機が出来上がります。

バリコンも1部分でガリコン(羽根が接触して がりがり言う)になっていました。
これも慎重に羽根を整形して修理します。





修理後のシャーシ内部です。
抵抗なども取り替えました。

2013年7月15日
2013年7月16日:119

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