ナショナル 5Dー115の修理

昭和24年5月製の高1ラジオです。
戦前から ナショナルは低周波増幅を1段増加したこの種ラジオを作っています。
今回のものは6D6 6C6 76 6ZP1 12Fですが、戦前のものは58 57 56 47B 12Fでした。
とにかく 大音量が出るので 電波の弱いところで 喜ばれたのかもしれません。

下記画像は修理後 動作せせているところです。



通電すると微かに 音が出たということで持ち込まれたのですが、よく見るとヒューズが2本組み込まれています。
ラジオで2本ヒューズが使われているのは非常に珍しいのでまず 疑うべきです。
よく見ると 向こう側(85Vの位置)に5Aのヒューズが組み込んであり、手前側(100Vの位置)のヒューズは断線していました。

結果的に85V端子に100Vを入れて通電してみたようです。



85Vの位置に組み込まれていたヒューズ



実は このラジオ素人が修理を試みた形跡が有るのです。
ダイアルの糸が ラジオ用と違います、この部分はよくできているのでそのままとしました。
管型ヒューズは一般には5Aが入手し易いようで 素人修理にはよく見かけます。




シャーシ内部






修理後のシャーシ内部

まず修理したのは下記画像の如くです。
抵抗類はそのまま ケミコンとペーパーコンデンサーはすべて交換しました。
ただ下記表の如く 6ZP1の電圧があまりに高すぎるので とてもつかえませんでした。

真空管のゲッター部分が何となく薄くなっている、TVー10で試験しても破棄値の半分くらいしか無いので、
音は正常に出ますが 使うのを諦めました。

正常な6ZP1を準備して 下記配線で試験しましたが やはり電圧が高すぎます。
東京は電波が強いので 音量VR(本当は感度調整用だが)を最低のところで受信しているので、
このようななったのだと思われます。

本来高1ですから4球で済むのに 無理やり低周増幅を増やして5球にした副作用かもしれません。
昔スーパーなど買えない時代 電波の弱い田舎で 比較的高感度のラジオということで作られたものですから、
東京のような強電界のところで使うのが問題かもしれません。



 


改造1
電波の強いところでも6ZP1の規格に収まるよう 改造をしました。

B電圧が高すぎるので 12Fのプレート回路に500Ω(1KΩ 2個並列)の抵抗をいれ、AC電圧も少し下げて見ました。
更に2KΩの平滑抵抗も3KΩとしました。

結果的にこれでも高いのです。

なおヒーター電圧は6.3Vで正常です、B巻線だけ異常に電圧が高くなります。





最終的な改造
最終的には このような形にしました。
平滑抵抗を最終的には6KΩにしました。
これで感度最低の時で6ZP1が規格内にギリギリ収まるようになりました。
我が家でアンテナを付けて受信した場合はこの状態です。
電波がもう少し弱ければ充分規格内に収まります。

感度を上げてゆくと6D6に電流が流れB電圧が下がります。
本来は感度を上げて使うラジオなので ここまで改造する必要はないのかもしれません。
でも どのような使い方をするか不明なので できるだけ 安全なようにしておくほうが良いと考えました。

なお左端の 青色のコンデンサーは AC回路とシャーシ間に追加しました
シールドケースが省略されているためか ハムが出やすいのです、この防止策として追加しました。
プラグの差し込み方向を変えるだけでハムが減る場合があります。



更に 電源スイッチが側面に有りますが、どうもうまく動作しないのです。
コツを掴めば大丈夫ですが 慣れないと大変なので とりあえずバイパスしておきました。

スイッチを使いたい時はこの線を切断してください。








このラジオは76による増幅段が追加されているので 普通でも大音量になる。
音量を絞ると 結果的に6D6に電流が流れなくなり、
平滑抵抗による電圧降下も小さく 逆にB電圧が高くなるので 出力管6ZP1のG2電圧があがり 規格ギリギリでも動作になる。
ある意味 非常に困った設計です。


   備考
 オリジナル(感度最低時)  265V 285V  265V   11V    出力管が惚けているので電流が少ない
 6ZP1変更(感度最低時)   273V 242V      正常な出力管に交換
 改造1(感度最低時)   232V 215V      12Fのプレート回路X印の部分にに500Ωを追加、
平滑抵抗を3KΩに変更
 最終改造(感度最低時)   235V 200V  13V  140V 同上で  平滑抵抗を6KΩに変更
 最終改造(感度最高時)   230V 170V  11V   30V 同上で  平滑抵抗を6KΩに変更 6D6の電流増加による





2016年10月14日








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中津

真空管ラジオ



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