シャープ UW−123の修理

スイッチを入れても音が出ないという 12BE6 12BA6 12AV6 30A5 35W4のごく普通のスーパーです。
通電してみると 音が出るようになったのですが ハム音が酷くとても受信できる程度ではありません。
まず疑ったのが出力管です。
グリッドをアースするとハム音は止まりますので、調べてみるとG1の端子が2箇所出ていて 空き端子の方がヒータ回路の抵抗に接近しています。
下記画像は 少し離した状態で撮影、矢印の部分。





どうもこのラジオは誰か分解したらしく ダイアル糸もゆるいし、指針も外れていました。
その時 この抵抗も交換した可能性があります、大きさが異様です。




真空管の交換(12AV6 30A5) 出力管のグリッド(G1)とG2とのソケットの絶縁測定など試行錯誤をしましたが 解決しません。
最終的にブロック型ケミコンの素子間のリークを疑い 最後の手段で交換を計画していたのですが、
ところが翌日12AV6の交換で ハムが消えました。
前日は無駄だったのに 非常に不思議です。
いこれで一応受信できるようになりました、ただ感度が猛烈に悪いです。

まずIFTの調整です。
すべて455KHzに調整しましたが、検波段の 下側のコアの位置が不自然です。
これで 試験しても感度が猛烈に悪いのは解決しません。

経験上 同調コンデンサーの不良時と同じ現象です、取り外して内部を見てみました。



上記画像の 上のほうのチタコンの容量不足と狙いをつけ 取り外して 測定してみました。
なんと34PFに減少しています。






実はここで大きな間違いを犯しました、オリジナルは100PFと思ったのですが、実は150PFでした。
組み込んでも振れが大きくならないので取り外した部品をよく見たら150PFでした。
ケースに組み込んだ後だったので 外付けで47PFを付加してOKとしました。
(下記画像参照ください 黄色で頭の黒いもの)



視力が落ちましたね、小さいので100PFに見えてしまいました、よく見たら150PFでした。
下記は拡大画像です。




これで音が大きくなったのは良いのですが、音が小さくなりません。
感度が悪くて 実用的な音量だったのですが、高感度になると もういけません。
うるさくてラジオを聞けない程度の音量までしか絞れなのです。
ツマミがギザ付きの軸に差し込む方式のため、軸を切って新品のVRに接続します。
画像は切り込みを入れたところです。



下記画像のように アルミパイプで接続します。



さてここまで修理出来たのですが どうもダイアル糸がゆるいです。
どうも指針から糸がはずれていたので 修理途中で放置したのかもしれません。
ダイアルの糸掛けはなんとなく不審なところも有るのですが、糸を締めると 正常に動作するので良しとしました。




最初のハム音の原因はブロックケミコンの端子間リークしか原因が思い当たらず、持ち主の希望でケミコンを交換することにしました。
ただ 組み込む場所が狭く 平滑抵抗も同時に組み込まなければいけないので、作業的には大変でした。
下記画像は交換前のもの。



ケミコンです 現在は正常ですが 端子間でリークが有ったと考えたほうが良いので 交換することにしました。
簡易的には1個交換するだけで良さそうなのですが 取り付け場所が無いので 仕方ありません。





ケミコンを外したところ



取付金具を細工して 穴を開ける。



端子板にケミコンを組み込み取り付ける。



シャーシの裏側(キャビネットの正面側)から見たところ、ブロックコンデンサー内3個中2個をこの様にした。
ケミコンの残り1個は30A5のG2に接続しました。















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