東芝 513Fの修理

6WC5 6D6 6ZDH3A 42 12Fの5球スーパーです。
ただ本ラジオには6ZP1が組み込まれていました。

東芝の513シリーズで 回路はほぼ同じと思われます。
回路図は見つかりませんでしたが 修理後513Aの回路図が見つかりました。
ただ 513E F H などは昭和28年頃の製品で 微妙に回路が異なる可能性があります。

フィールド型スピーカーを使った514Aと似た部分もあるので 両者を比べながら修理したら良いでしょう。

なお513シリーズはデザインなどなかなか魅力的なラジオですが 壊れやすい感じがします。
時に トランスが駄目になるケースが有ります、ゼネラルのラジオに比べれば 作りは相当ちゃちです。
当時 真空管はマツダは超一流品 松下の真空管は3流品でしたが 肝心のラジオはこころ持たない感じですね。


513Aの回路図

電波科学 1951年4月号に回路図が有ることが判りましたので 早速スキャンしました。



514Aの回路図
回路をしらべて見ると、検波段のIFTのアース側にバイパスコンデンサーがありません。
513Aの回路図にはあるので この時代は省略していたのかも。
この当時の東芝のラジオは良く言えば 省資源、 悪く言えば部品をケチる時代だったようです。
6D6のカソードバイアスの省略など球屋としての東芝を疑わざるをえないような回路が採用されています。
電源ケーブルの長さを10cmケチったとか言われた時代かも。
513Eの時も同じでした、この部分は誰かがVRを交換しているので痕跡は判りません。
下記514Aの回路図を調べてると、回路図上にも記載がありません。
浮遊容量で、動作しますので、回路図に無いから動作しないわけでは有りませんが、付加しないと感度が悪いです。
切替SWつきVRなので入手出来ず SW無しを選んだので 浮遊容量も減少した可能性はあります。

今回も付加しました。



素人が整備した形跡があります。
丁寧に修理されています。

ただその時 ダイアルの糸をかけ直し 普通の糸を使ったので簡単に切れたのでしょう。
ダイアル糸は専用品を使わないと耐久性がありません。




ダイアルの糸掛けをしたのですが これも意外と難しかったのですが、
それ以外に ダイアルメカのランプホルダーが壊されていて、この修理に悩まされました。
最終的に ホット ボンドで固定することにしました。




ランプ ホルダーが破損しています。


修理後の シャーシ 内部
検波IFTのアース側に220PFのコンデンサーを入れてバイパスしました。
その他コンデンサーで怪しい物はすべて交換しました。
また値の 違うものも交換してあります。







スピーカーが駄目になったらしく 社外品に交換されていました。
ボイスコイルは3.2Ωです。
ところが出力トランスは8Ω:5KΩの物が組み込まれていて、
これでは6ZP1の負荷が約2KΩになってしまいます。
規格では12KΩですから 音は正常に出ますが、気になりました。

最終的には東栄トランスの12KΩの出力トランスを組み込みました。
このトランスには4と8Ωの端子があるので ほぼ規格は満足します。


 






513E
http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/513E.html







513H

http://radiokobo.sakura.ne.jp/G/repair/toshiba513H.html





2015年8月12日







radiokobo-all



中津

真空管ラジオ



inserted by FC2 system