ビクター 6A−2605の修理



分解してみると 金属シャーシがありません、プリント配線方式です。
簡単な5球スーパーでは時々見かけるのですが、Hi Fi方式の大きな木箱ラジオでは始めてみました。
悪い予感です、後日しみじみ反省しました。

調べてみると幸い真空管 スピーカー 電源トランス 出力トランスとも無事でした。
ケミコンも漏洩電流は大丈夫なのでそのまま使うことにしました。 取り出したラジオの上面です。


上記の基板の裏側です、完全なプリント配線です。
これで昭和33年製ですから、ビクターは進んでいたのかもしれません。 部品面とパターン面は資料がありませんので、試行錯誤で調べて行きます。
ラジオの全体の大きさが大きいので、部品の位置とパタン面を照合するのが難しいです。
 

その場合 下記画像の赤色レザーで部品面から照射すると比較的判りやすいです。

レザー・ポインター

こうしてペーパーコンデンサーなど怪しいものはすべて交換しました。
こう書くと 簡単そうですが、手間が大変でした。
ケミコンは漏洩電流を測定して 問題ない範囲でしたので、そのまま使うことにしました。

 

音量調整用VRもがりがありましたが、スイッチが接点数の多い 特殊品のため交換できません。
取り外して スライド部分を清掃 手入れして使う事にしました。




さらに 通電して 動作させてみるとVRは大丈夫でしたが なんとなく不安定なのです。
特にIFTを触るとノイズが出ます。

IFTを取り外して 中の構造を調べてみました。
下記画像はIFTを外した跡です。




分解してみると 正常です、立派なつくりです。




電源コード 以前素人が交換したらしく 途中で接続してありましたので、
テープを外してみると 裸線をよじ合わせただけでした。
この部分は元からやり直しました。




部品交換 ACコードの接続 など修理完了状態のシャーシ上面です。
右端の赤白の円筒状のものは音質調整VRと連動する表示装置です。


手持ちのマジックアイを組み込んだところ。



このラジオについていたマジックアイを組み込んだところ、中古品のため明るいと光がほとんど見えません。



キャビネットに収納して 撮影したところ。
光ってはいますが、少しでも明るいと判りません。



ラジオにもともと付いていたマジックアイです。
(上記画像と同一条件)

さてこれからが 実は苦労の始まりでした。
明るいマジックアイに変えて受信してみると現象がよくわかったのです。
マジックアイの閉じた部分が微妙に振動して見えるのです、
普通はこのようなことはありません。
AVC回路に異常が起きているようです。

さらにIFT付近や真空管(12BA6など)を強く触るとマジックアイが完全に開くのです。

これで原因が判りました、下記画像の本体側フレーム(シャーシ)の脚とプリントパターンが接触しているのです。
原因が判りましたので、ファイバー製のスペーサーを組み込みました。
実はこれはソニー スカイセンサーに使われていたものを流用しました。



ビクター 6A−2605回路図 添付されていた回路図です、破れていて全部はありません。
真空管ラジオデーターベースにも回路があるのですが、何故か 数値が読めないのです。
現物のコンデンサーも 汚れで読めないものが多く、交換は現物を測定するなど 総合的に判断して決めました。
なお12AV6付近の回路図は印刷が消えているのか、間違いがあります、ご注意ください。

























radiokobo-all



中津

真空管ラジオ


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